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あらすじOutline
名探偵・天下一大五郎と迷脇役の大河原警部が、ミステリー小説の舞台裏をユーモアたっぷりに明かしながら12の難事件に挑む痛快傑作ミステリー短篇集。
【密室宣言ートリックの王様】
奈落村で起こった殺人事件。現場はミステリーの定番である完全な密室状態であった。村の者は壁神家の祟りだと言うが・・・。
【意外な犯人ーフーダニット】
有名な油絵画家の牛神貞治が自宅で殺害された。現場の状況から、容疑者は五人に絞られた。しかし、名探偵天下一大五郎が推理のうえ見い出した意外な犯人とは?
【屋敷を孤立させる理由ー閉ざされた空間】
指折りの資産家、矢加田伝三の別宅の屋敷でパーティーが開かれ、そこで殺人事件が起きた。屋敷に行き来する道は閉ざされ、完全な孤立状態であった。しかし、屋敷の孤立状態こそ、犯人が仕組んだ完全犯罪のトリックに不可欠な条件だったのだ。名探偵天下一大五郎が明かしたそのトリックの真相とは?
【最後の一言ーダイイングメッセージ】
殺害された王沢物産のワンマン社長が、最後の力を振り絞って残した「ダイイングメッセージ」。この「ダイイングメッセージ」を手掛かりに捜査が進められた。そして、名探偵天下一大五郎が解き明かした「ダイイングメッセージ」のあまりにも意外な真相とは?
【アリバイ宣言ー時刻表トリック】
AB電機に勤めるOL・吉井カブ子を殺害した蟻場には完璧なアリバイがあった。刑事役として登場した天下一大五郎がこの完璧なアリバイを崩したのだが、その内容を聞いて最も驚いたのが、犯人である蟻場自身だった。犯人の蟻場をも驚かせた天下一大五郎のアリバイ崩しとは?
【『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論ー二時間ドラマ】
有名な温泉地でOL藤原邦子が毒を飲んで亡くなった。二時間ドラマ用に女性探偵として登場した天下一が、二時間ドラマならではのお約束を明かしながら事件を解決していく。次々と明かされる二時間ドラマのお約束とは?
【切断の理由ーバラバラ殺人】
×県切裂町のはずれにある標高数百メートルの糸鋸山で女性のバラバラ死体が見つかった。天下一大五郎は、犯人が死体をバラバラにしたことには論理的な理由があると考え、その線から捜査を進めて、犯人と死体をバラバラにした理由を突き止めたのだが・・・犯人の意外な告白に天下一大五郎は絶句することになる。
【トリックの正体ー???】
黄部家当主雅吉が亡くなったため、遺産相続の件で別荘に集められた黄部家の人々と天下一大五郎。食堂で開かれた晩餐会で、突如銃声が響き渡った。殺されたのは、雅吉の隠し子を名乗る灰田次郎である。天下一大五郎はすぐに犯人を追ったが、屋敷内で忽然と姿を消してしまう。その犯人消失のトリックとは?
【殺すなら今ー童謡殺人】
離れ小島で起きた連続殺人事件。その連続殺人は、なぜか童謡に歌詞通りに起きていた。犯人の意図は何なのか?また、この童謡殺人の驚くべき結末とは?
【アンフェアの見本ーミステリのルール】
大黒製薬の社長・大黒一郎が毒殺された。状況から判断して、身内の犯行だと刑事たちは判断した。しかし、その結末はミステリーのルールから外れたアンフェアなものであった。果たして、そのアンフェアな結末とは?
【禁句ー首なし死体】
高さ60メートルにも及ぶ塔の展望台で冒険家の風間大介の首なし死体が発見された。しかし、その時間に塔に登ったのは風間一人であることが、塔の管理人より証言された。犯人はどのように塔に登り、風間大介を殺害した後、どのようにして塔から姿を消したのか?また、犯人が死体の首を持ち去った真意とは?その真相は、まさにミステリー界の「禁句」であった。
【凶器の話ー殺人手段】
資産家町田清一郎が殺害されたが、その凶器が不明であった。凶器が分かれば、おのずと犯人も判明するのでは?という考えで捜査が進められ、その謎を天下一大五郎が見事に解き明かした。しかし、死体検案の結果を聞いた大河原警部は、天下一大五郎の推理に大きなミスがあることに気付くのだが・・・。
他、「プロローグ」「エピローグ」「最後の選択」という章あり。
当サイトの管理人より
この「名探偵の掟」は、ミステリー小説に使われるトリックにはどのようなものがあるのか?そのトリックが使われる背景などがよく分かる作品である。ミステリーファンにとってはほとんど衆知のことですが、それを面白おかしく書いているので、ミステリーファンにも十分に楽しめる作品だと思う。