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秘密

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あらすじOutline

自動車部品メーカーの生産工場で働く杉田平介の妻・直子と小学校5年生の娘・藻奈美は、親戚の告別式のために長野に向かっていた。交通手段としてスキーバスを利用したが、二人を乗せたバスが運転手の居眠り運転により崖から転落した。その事故で、妻の直子は亡くなってしまったが、娘の藻奈美は何とか一命を取り留めた。娘が助かったのは、妻が自らを犠牲にして娘の体を庇ったからだった。

直子の葬儀の夜、藻奈美は意識を取り戻す。しかし、意識を取り戻した藻奈美は、信じられないことを父の平介に告げる。

「私は直子なの」

娘の藻奈美の体に宿っていたのは亡くなったはずの妻の直子の意識であった。この時から、娘の体を持つ妻と夫との奇妙な生活が始まる。もちろん、世間には“秘密”の生活である。

最初は、この奇妙な生活を楽しんでさえいた平介たちであったが、娘の体に宿った妻・直子が二度目の青春を謳歌しながら成長していく様を見て、いつしか強烈な嫉妬に苛まれることになる。そして、異常なほど直子の行動を監視するようになり、やがて直子との関係もギクシャクしたものとなっていく。

そんな時に、事故を起こした運転手が、なぜあのような事故を起こすことになってしまったのか。その真の原因を平介は知ることになる。そして、そのことが平介にある決意をさせることになる。それは、とても切ない決意であった。

その平介の決意のあとに、また不思議な現象が起きることになる。それは、今までまったく意識がなかった藻奈美の意識が、時々現れるようになったのである。直子と藻奈美の意識が交互に現れ、そらに不思議な生活を平介たちは送ることになるが、平介にとってはこの上ない幸せな生活であった。

ただ、不安材料はあった。それは、藻奈美の意識が目覚めている時間が長くなり、直子の意識が目覚めている時間がどんどん少なくなっていくことだった。そして、平介の不安は現実のものとなっていく。

お互いを思うがために切ない決断を強いられる二人。この物語の最大の秘密は何だったのか?

当サイトの管理人より

この「秘密」という小説は、題名の真の意味を読み解くところに醍醐味があります。最後に「秘密」の真の意味が明らかになり、その結末に達する平介と直子の心情を考えると、涙を抑えることができませんでした。

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