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白夜行

あらすじOutline

ある廃墟ビルで質屋の主人:桐原洋介が殺された。殺害当日の足取りから、一人の重要容疑者が浮かびあがった。それは、質屋の客であった西本文代という女性であった。桐原洋介は、西本文代にお金で愛人関係を迫り、それが原因で殺害されてしまったのでは?と疑われたのである。しかし、西本文代には完璧なアリバイがあった。

次に疑われたのが、桐原洋介の妻・弥生子と質屋の従業員の松浦勇だった。しかし、彼らにも完璧なアリバイがあった。捜査は難航するが、西本文代には若い情夫・寺崎忠夫がいるという情報が入り、この情夫との共犯ではないかということで、西本文代が再び疑われることになる。だが、決定的な証拠がないまま寺崎忠夫と西本文代の両名が死亡した。両名とも事故死であったが、文代には自殺の疑いもあった。そして、最大の容疑者である二人が亡くなったことにより、事件は迷宮入りすることになる。しかし、この事件の捜査に当たっていた笹垣刑事だけは、被害者桐原洋介の息子・亮司の表情のない暗い目と西本文代の娘・雪穂の大人びた利発さが、なぜか心に引っ掛かっていたのであった。

成長した西本雪穂は、母親が亡くなった後に親戚の養女となり、唐沢雪穂という名になっていた。雪穂は清華女子学園中等部に通っていたが、その学校で雪穂の身の回りに起こった過去の事件が噂になった。その噂の発信源は、雪穂と同学年の藤村都子だった。

一方、桐原亮司は地元の大江中学校に通っていた。桐原の同級生・菊池文彦は、4年前の事件当時に撮られた一枚の写真を見せた。それは、亮司の母・弥生子と従業員の松浦勇がラブホテルから出てくる写真だった。菊池は、二人が不倫関係にあり、それを知った桐原洋介を二人が殺害したのではないか、という当時の噂を覚えていた。そして、この写真は二人が不倫をしていた決定的証拠として意味を持つことになる。この写真をネタに、菊池は亮司を脅そうとしているのであった。

やがて、藤村都子が襲われる事件が起きる。その現場にキーホルダーが落ちていたことから、犯人と疑われたのがキーホルダーの持ち主の菊池だった。雪穂と亮司の過去をほじくり返そうとしていた二人が、事件の被害者とその容疑者になったわけである。やがて、菊池の容疑は晴れることになるが、この事件がきっかけで、亮司と雪穂の過去をほじくり返すことを二人ともしなくなった。

それ以降も、桐原亮司と唐沢雪穂のつながりを匂わす不可解な事件が次々と起きるが、二人は表面上はまったくのつながりのない赤の他人として生きていた。そんな二人の前に再び現れたのが、桐原洋介殺害事件を担当していた刑事・笹垣だった。そして、彼だけは、次々と起こる事件の裏でこの二人がつながっていることを見抜き、彼らを追い続ける。そして、捜査を進めていくうちに、桐原洋介の殺害事件にまつわる本当の真実を知ることになる。

当サイトの管理人より

この「白夜行」は、主人公の男女(雪穂と亮司)の心理描写が一切されていないというのが最大の特徴です。二人の心理は読者自身が想像するしかありません。しかし、そのことが幼い頃に二人が抱えてしまった闇とその後の生き様のおどろおどろしさを増幅しているような気がします。この世界観は秀逸です。

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