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あらすじOutline
田島和幸が殺人に関心を持ちはじめたのは、小学生の頃に体験した祖母の死がきっかけであった。和幸の母親が祖母を毒殺したのではないかという疑惑があったからだ。
もし母が殺人を企てたのであれば、祖母を殺してやろうと母を決意させたものはいったい何なのか?この疑問が、殺人に関心を持ったきっかけであった。
しかし、裕福な家庭に生まれ、順風満帆に今まで育ってきた和幸には、殺してやりたいと思えるほどの憎い相手がいなかった。親友だと思っていた『倉持修』の正体を知るまでは・・・。
祖母の死後、和幸の家庭はどんどん不幸になっていった。それに追い討ちをかけたのが、親友だと思っていた『倉持修』の裏切りだった。倉持は親切な親友の振りをして、巧妙な手口で和幸を騙し続け、更なる不幸へと和幸を陥れていくのだ。また、和幸だけではなく、和幸に関わる周りの人間までも不幸にしていくのだった。
「倉持修を生かしてはおけない!」心の中に倉持に対する強烈な殺意が芽生えていく。
しかし、なかなか倉持殺害を実行に移すことは出来なかった。「なぜ殺せないのか?」「殺人者になるために欠けているものは何なのか?」 殺意だけでは決して通ることができない『殺人の門』を前にして、和幸は苦悩し続ける。
果たして、和幸は『殺人の門』を通ることができるのであろうか?
当サイトの管理人より
この小説「殺人の門」では、田島和幸が倉持修という幼なじみに騙され続け、彼に対しての殺意を増幅させていくが、なかなか殺すまでには至らない心の葛藤が淡々と描かれている。トリックや感動に頼らない、違った面白みがある小説である。
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