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あらすじOutline
帝都大学物理学准教授の湯川学は、海底鉱物資源開発の説明会のオブザーバーとして出席するために玻璃ヶ浦という、以前は観光地として栄えていた海沿いの田舎町に訪れることになった。そして、玻璃ヶ浦に向かう電車の中で偶然知り合った少年の親戚が経営する旅館に宿泊することになった。その旅館のオーナー娘の成美は、玻璃ヶ浦の環境を守るための活動に従事しており、湯川をオブザーバーとして説明会に招いた会社とは敵対するメンバーとしてこの説明会に参加していた。
そんな海底鉱物資源開発の説明会の翌朝、湯川と同じ旅館に宿泊していた男が変死体で発見されることになる。当初は、この男が酔って堤防から足を滑らせたことによる単純な事故死として処理されようとしていたが、その死因が一酸化炭素中毒であったことから、単純な事故死ではないことが明らかになった。死んだ男は、元捜査一課の刑事・塚原正次であり、塚原もこの説明会に参加するために玻璃ヶ浦に訪れたようだが、なぜ塚原がこの説明会に参加することにしたのかが最大の謎であった。
湯川は、当初はこの事件を傍観していようと考えていた。しかし、塚原の死の真相がだんだん明らかにされるにつれ、この事件にとんでもない人物が関わっているかもしれないことを知ることになる。このまま捜査を警察に任せていたら、その者の今後の人生が大きくねじ曲げられてしまうことにもなりかねないと考えた湯川は、警察より先に事件の全貌を明らかにすることを決意する。
そして、湯川がたどり着いた真相とは・・・。
当サイトの管理人より
ガリレオ好きの読者であれば、湯川がジンマシンが出るほど子供嫌いなのは周知のことでしょう。しかし、この「真夏の方程式」では、そんな湯川が恭平という少年と親交を深めていきます。なぜ湯川が、この少年だけはあまり苦手としないのか?湯川らしい笑える理由がそこにはあります。