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あらすじOutline
「匿名通報ダイヤル」にある情報がもたらされた。
「匿名通報ダイヤル」とは、主に暴力団による犯罪や薬物事犯、少年福祉犯罪、児童虐待事案などから被害者を守る目的で設置されたもので、警察庁から委託を受けた民間団体が運営している。
今回「匿名通報ダイヤル」にもたらされた情報の内容は『練馬区の「ネオルーム練馬」というマンションの604号室を調べてほしい。女性の死体があるかもしれない』というもので、「匿名通報ダイヤル」では通常は受け付けていない類の情報だった。 しかし、単なる悪戯とも思えないことから、「匿名通報ダイヤル」を運営する民間団体は、この情報を所轄の警察署に連絡した。
連絡を受けた警察署の警察官がそのマンションの部屋に駆け付けると、もたらされた情報通り、若い女性の死体が発見された。死体の状況から、被害者は殺害された可能性が高かった。さらに、被害者は妊娠しており、被害者宅に出入りしている男性を複数の人が目撃していた。警察は、その男性の身元を突き止めるため、被害者の周辺を徹底的に探っていたが、なかなかそれらしき人物を発見することができなかった。
そんな折、警視庁に新たな密告状が届いた。密告状の文面には、『ネオルーム練馬で起きた殺人事件の犯人が、12月31日午後11時にホテル・コルテシア東京で行われるカウントダウン・パーティーに現れるので、逮捕してください』というような内容が書かれていた。
この密告状にはさまざまな疑問が浮かび上がるが、警察はこの情報を信じて、ホテル・コルテシア東京に潜入捜査することを決断した。そして、フロントクラークとしてホテル・コルテシア東京に潜入したのが、警視庁の新田刑事だった。新田は、以前にもホテル・コルテシア東京に潜入捜査した経験があり、その経験を買われて、再度潜入捜査官に任命されたのだった。ホテルの潜入捜査にはあまり気乗りしない新田であったが、ひとつだけ楽しみがある。それは、前回の潜入捜査で新田刑事に協力してくれたホテル・コルテシア東京のフロントクラークからコンシェルジュになった山岸尚美にまた会えることだ。
ホテル・コルテシア東京に訪れる様々の怪しい人物たち・・・この中の一体誰が殺人犯なのか?
当サイトの管理人より
この「マスカレード・ナイト」は、マスカレードシリーズの第3弾であるが、新田刑事と山岸尚美の人間像や関係性を第1弾と第2弾の小説で把握していると、より楽しめるのではないだろうか。
第1弾の「マスカレード・ホテル」は、新田刑事がホテルの潜入捜査ではじめて山岸尚美と出会うところから事件が展開していく物語であり、第2弾の「マスカレード・イブ」では、二人が出会う前のそれぞれの物語が描かれている。